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センター長挨拶

 気候変動や、それに付随して生じる災害、水資源、食料の問題、様々な原因による環境汚染、そして持続可能な社会システムの構築は、人類社会が直面する喫緊の課題と言えます。これらの問題は地域の問題であると同時に広域の問題でもあり、環境リモートセンシングに密接に関わるテーマです。人工衛星からのリモートセンシングは、広域の地球環境を同時に、かつ継続的に観測する手段として、地球環境のモニタリングにおいて欠かせない技術となっています。
 人類が初めて宇宙から地球を観測した画像を手に入れたのは、1960年4月にNASAが打上げたタイロス1号衛星まで遡ることができます。約2か月の運用の間に、テレビカメラによって2万枚以上の雲画像が撮影され、地上に送信されました。1972年には、現在まで継続しているランドサット(Landsat)衛星1号機がNASAにより打ち上げられ、これが本格的な衛星リモートセンシングの実質的な幕開けとなりました。
 千葉大学では、昭和61(1986)年にそれまで工学部付属であった「天然色工学研究施設」が学内共同教育研究施設「映像隔測研究センター」に改組され、ここでランドサット衛星や気象衛星等の画像データの解析が始められました。その実績を受け、平成7(1995)年に全国共同利用施設として発足したのが環境リモートセンシング研究センター(CEReS)です。その設置目的はリモートセンシングを利用した「地球環境学」の発展に寄与すること、とされ、センサ/大気放射、地球環境情報解析、データベースの3つの研究部門とデータベース開発運用部の体制により先端的な研究が推進されました。
 その後、平成16(2004)年から国立大学が法人化され、6年ごとに中期目標・中期計画期間が設けられることになりました。CEReSは、全国の大学附置研究所・センターとともに平成21(2009)年度に文部科学省の審査を受け、翌年の第2期中期目標・中期計画期間初年度から文部科学省の認定を受けた共同利用・共同研究拠点としての活動を開始して現在に至っています。この第2期の開始にあたって、それまでの研究プロジェクト制からプログラム制に移行し、(PG1)先端的リモートセンシング、(PG2)情報統合、(PG3)衛星利用高度化の3つのプログラムを通じて研究活動を進めるとともに、衛星データやそれに関連する環境情報データを蓄積・公開し、日本や東アジアを中心としたリモートセンシング研究と、それを利用した環境研究の一層の発展をめざした活動を行っています。
 リモートセンシングは、その分野としての特性から、地理学、気象学、大気化学、大気放射学、水文学、農学、園芸学、土木工学、都市環境工学、応用光学、応用物理学、電気電子工学など、多くの学術分野との関連をもっています。CEReS は、こうした様々な分野の研究者との共同研究のネットワークを通じ、リモートセンシングにおけるセンサ開発、情報抽出、環境変動評価などの分野での研究を推進し、また、その研究成果の社会的課題への適用を進めています。
 最近の成果としては、PG1における小型衛星・航空機搭載を目指した円偏波合成開口レーダの開発、PG2における第3世代静止気象衛星ひまわり8号のデータアーカイブと環境情報抽出への活用、PG3におけるインドネシアの水稲農業保険の損害評価における精密リモートセンシングの活用等を挙げることができます。また、日本が世界に先駆けて打ち上げた全球の温暖化気体観測用GOSAT衛星(いぶき)の熱赤外バンドのデータ解析や、平成29年12月に打ち上げられた気候変動観測衛星GCOM-C(しきさい)による全球植生のデータ解析においても、CEReSの研究者が活躍しています。
 リモートセンシングデータやその解析結果を、持続可能性を含めた社会課題の解決につなげるためには、モデル研究も大きな役割を果たしており、その方面にもウィングを広げて研究を開始しました。気候変動に関する4大学附置センターの連携(東大、名大、東北大、千葉大による気候変動に関するバーチャルラボラトリー)の活動も継続して実施しています。さらに、CEReSは千葉大学が全学的に参画している国際的なプロジェクトであるFuture Earthの学内事務局の役割を務めており、部局横断的な活動を通じて持続可能な社会システムの構築に貢献して参ります。
 いま、皆様がご覧になっているホームページには、CEReSの様々な活動の記録が、現在進行形のものを含めて多数集約されています。スタッフのページひまわり8号データの準リアルタイム画像年報CEReSニュース4大学VL大学院のリモートセンシングコースなど、ぜひ併せてご覧頂ければと思います。
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 連絡先メールアドレス rimosen[アットマーク]office.chiba-u.jp

千葉大学環境リモートセンシング研究センター
センター長 久世宏明