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センター長挨拶

 “木を見て森を見ず”、狭い範囲のことに目を奪われ、全体像を大局的に捉えることができない様を表現する格言として使われています。
 昔から、人は木に登り山に登ることによって自分の周りを見渡すことを行ってきました。周囲の全体像を知りたい、すなわち、“森を見る”ことが必要だったからだと思います。道具を使って空から地上を見ることを行った最初は1858年といわれています。フランス・パリで上空から気球を使って街を撮影した写真でした。以来、160年ほどの間に人は航空機や人工衛星を開発し、全地球を毎日観測することができるまでに、その技術を進化させてきました。今日の地球規模での環境変動や広域での災害を考えるとき、“森を見る”技術は不可欠となっています。
 一方で、リモートセンシングでは、宇宙から“木を見る”手段も手に入れました。50㎝という解像度で宇宙から樹木を一本一本見ることができるようになったのです。リモートセンシングは様々な領域で、“木も見て、森も見る”手段を我々に提供するようになりました。
 環境リモートセンシング研究センター(CEReS)は、リモートセンシングという名前を冠する日本で唯一の大学附置研究機関です。2010年には文部科学省から環境リモートセンシング研究の全国共同利用・共同研究拠点として認可を受けました。全国の大学、研究機関と共同して年間50件以上の共同研究を実施しています。また、世界の30近い大学や研究機関と研究契約や協定を締結して国際共同研究を進めています。
 世界各地で発生している多くの社会的課題は、一つの学問分野、一つの研究機関、また、一つの国だけで解決することはできません。様々な分野、機関、国々が連携するとともに、「木も見て森も見る」手段を駆使して取り組むことが必要です。
 CEReSは、リモートセンシングの学術を深めるとともに、国内外の様々な方々と連携して社会的課題の解決に向けて取り組んでゆきたいと思います。皆様のご支援とご協力をお願いいたします。

センター長 安岡善文