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30周年にあたって
千葉大学環境リモートセンシング研究センター(CEReS: Center for Environmental Remote Sensing)は、1995年4月に大学附置の全国共同利用施設として発足し、2010年には文部科学省より環境リモートセンシング分野で唯一の共同利用・共同研究拠点に認定されました。
本センターの起源は1963年の工学部附属「天然色工学研究施設」に遡り、1986年に「映像隔測研究センター」として改組を経て現在に至ります。60年以上にわたり、衛星リモートセンシングを基盤とするセンシング技術、データ解析、画像処理の学術的蓄積を礎に、地球環境学の発展に貢献してきました。
1995年の発足時には3研究部門・1開発運用部から構成され、その後の法人化を経て、重点的プロジェクト研究を推進する体制に再編。2021年には5部門制を導入し、気候変動、環境変動、災害、食料などの課題を対象としたプログラム研究を展開してきました。さらに、2025年10月からは11部門制へと拡充し、地球環境ビッグデータ統合解析を中核とする新たな研究体制を整備しています。
本センターは、千葉大学が採択された文部科学省「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」において、大学の将来ビジョンを支える研究中核(地球観測ビックデータ統合解析研究)として位置づけられています。また、国際的な地球環境目標(パリ協定、昆明・モントリオール生物多様性枠組、仙台防災枠組2015-2030など)との整合を図りつつ、データ駆動型の地球環境診断・予測科学を推進しています。
地球環境変動の顕在化と自然災害の頻発が続く今日、衛星リモートセンシングに基づく「地球環境学」は、基礎研究から社会実装に至る広範な展開を持ち、学際的共同研究を牽引する学術的基盤としての重要な役割を担っています。
これまで本センターを支えてくださった国内外の研究者、関係機関、そして諸先輩方に深甚なる謝意を表するとともに、今後も異分野融合研究の推進と新たな学問領域の創出に尽力してまいります。
センター長 服部克巳