課題:タンザニア、東アフリカ高地の人間によるサバンナ化地域は拡大しているか

1989年から1991年にかけて、新藤静夫先生のプロジェクトに参加し、タンザニア、ドドマ北方のマクタポーラ盆地で地下水調査を行いました。この地域には西方にある大地溝帯に平行した何本もの断層が走っており、その破砕帯に井戸を掘り、ドドマの都市用水を得ていました。地形は緩い波丘地で、台地面には閉じた凹地があり、雨期には水面が広がります。このような場所は乾期でも地下水が得られるので集落が立地します。すると、周囲は灌木が生い茂っていますが、燃料用に徐々に伐採され、次第に裸地が広がっていきます。そして、ある程度裸地面積が大きくなると集落は移動するという話を現地で聞きました。

[疑問]  では、実際に裸地面積は拡大しているのでしょうか。また、集落移転により植生が回復している場所はあるのでしょうか。


材料は何が使えるか ⇒ リモートセンシング

衛星画像は地表面を撮影したいわば地図であるし(空間性)、繰り返し観測することにより、その地域の変化を記録する(歴史性、時間性)。地表面近傍の多様な要素を写し出し(多様性)、様々な情報と重ねることにより要素間の関係を知ることができる(関連性)。また、地表面の属性に関する様々な指標や量を計測することができる。環境変動を明らかにするきわめて強力なツールである。

データはどこにあるか

ドドマ近郊の画像を検索してみよう

南緯5°57′27.50″、東経35°44′10.78″をGoogle Earthで見てください。赤い屋根の建物が北東から南東に延びる断層線に沿って配置された井戸からの水をドドマに送るポンプ場です。ここからズームアウトして周囲を見てください。
ランドサット画像をGLCFからダウンロードしてください。ESDIを使ってGUIから検索することも、FTPサーバーからダウンロードすることもできますが、まずはESDIを動かしてください。
慣れてきたらFTPサーバーからダウンロードしても良いでしょう。ランドサット1〜3号のパス/ロー(WRS1)は180/64、ランドサット4〜7号のパス/ロー(WRS2)は168/64です。

ダウンロードしてみよう

168/64のフォルダ(UNIXではディレクトリ)はftp://ftp.glcf.umd.edu/glcf/Landsat/WRS2/p168/r064/です。ここには以下のフォルダ(ディレクトリ)が見えます。
FTP ディレクトリ /glcf/Landsat/WRS2/p168/r064/ / ftp.glcf.umd.edu
--------------------------------------------------------------------------------
1 階層上のディレクトリへ
01/27/2010 05:19午後 85 L71168064_06420060629.ETM-GLS2005
01/27/2010 05:19午後 79 p168r064_5dx19870225.TM-GLS1990
01/27/2010 05:18午後 80 p168r064_7dx20010311.ETM-GLS2000
01/27/2010 05:17午後 103 p168r064_7x20010311.ETM-EarthSat-Orthorectified
01/27/2010 05:17午後 107 p168r64_5t870225.TM-EarthSat-Orthorectified
--------------------------------------------------------------------------------
いくつか種類があるようですが、1987年2月25日、2001年3月11日および2006年6月29日の画像があるようです。2月、3月が雨期、6月が乾期ですので、植生が見える雨期の画像をダウンロードしてみよう。1987年2月25日のフォルダ(p168r64_5t870225.TM-EarthSat-Orthorectified)を開いてみましょう。この中で、*.gzが圧縮された画像データで、TMのバンド数の7つあります。各ファイルをクリックしてダウンロードします。
04/05/2008 12:00午前 546,714 p168r64_5t870225.742.browse.jpg
04/05/2008 12:00午前 15,426 p168r64_5t870225.742.preview.jpg
04/05/2008 12:00午前 496,293 p168r64_5t870225.browse.jpg
04/05/2008 12:00午前 2,634 p168r64_5t870225.hdr
04/05/2008 12:00午前 365 p168r64_5t870225.met
04/05/2008 12:00午前 14,244 p168r64_5t870225.preview.jpg
04/05/2008 12:00午前 63,116 p168r64_5t870225.tar.jpg
04/05/2008 12:00午前 23,428,013 p168r64_5t870225_nn1.tif.gz
04/05/2008 12:00午前 20,858,528 p168r64_5t870225_nn2.tif.gz
04/05/2008 12:00午前 25,389,311 p168r64_5t870225_nn3.tif.gz
04/05/2008 12:00午前 29,586,308 p168r64_5t870225_nn4.tif.gz
04/05/2008 12:00午前 32,718,355 p168r64_5t870225_nn5.tif.gz
04/05/2008 12:00午前 9,917,102 p168r64_5t870225_nn6.tif.gz
04/05/2008 12:00午前 27,989,234 p168r64_5t870225_nn7.tif.gz
この画像の情報は p168r64_5t870225.met に記録されています。ライン数(ROW_COUNT)は7235、ピクセル数(COL_COUNT)は7800です。

*.gzファイルの解凍は適当な解凍ソフトを使ってください。

*.gzファイルを解凍すると*.tifが生成されます。これをソフトウエアで読み込んで解析を行います。以下はER Mapperを使った場合の手順です。

@*.tifを読み込んで、*.ersで出力する。
A統合するときは、拡張子のないファイルを copy/b コマンドで連結し、インポートする。
コマンドプロンプトで、
copy/b p168r64_5t870225_nn1+p168r64_5t870225_nn2+p168r64_5t870225_nn3+p168r64_5t870225_nn4+p168r64_5t870225_nn5+p168r64_5t870225_nn6+p168r64_5t870225_nn7 p168r64_5t870225.bin
これをBSQファイルとしてインポート
もっとスマートな方法はあるかも知れませんが、私はこれに慣れてしまっています。
19721225 19870225 20010311
ER Mapperでデータをインポートするには、メインメニューの[Utilities]からファイルの形式に合った項目を選ぶ。BSQファイルだったら、[Import ASCII and Binary Grid]-[Binary BSQ]-[Import]でプログラムを起動。入出力ファイルの指定と、[Setup]からファイルのパラメーターを入力して実行。

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