研究内容 > 多波長ミー散乱ライダー
 


システム概略
 ライダーとは、レーザー光源と望遠鏡を組み合わせたレーザーレーダーのことです(左図)。 パルスレーザー光を上空に射出し、エアロゾル(浮遊微小粒子)等によって散乱されて、 地上に戻ってきた微弱な光を大型の望遠鏡と高感度センサを用いて検出します。 このシステムにより、エアロゾルの高度分布(消散係数プロファイル)の観測を行っています。

 環境リモートセンシング研究センターに設置されている大気補正用4波長ライダーは、 4階にレーザー発振装置が置かれ、センター屋上(5階)の建物内に受光望遠鏡や PMT(光電子増倍管)、オシロスコープ、データ保存用コンピュータなどが設置されています。 4階で発振されたレーザーは光学系によって1本のビームに合成されて屋上に導かれ、 いくつかのミラーを経由して鉛直上方向に発射されます。
 大気中に発射されたレーザー光は、大気中に浮遊する微粒子によって散乱されます。 そして後方に散乱された光のみが受光望遠鏡により集光され、各波長ごとにPMTによって検出されます。
 

観測データ例(クリックで拡大)
 ライダーシステムによって取得されるデータは、時系列の信号強度データです。 レーザー光の速さは既知(光速)であるため、レーザーを発射したときから、散乱による光が 戻ってくるまでの時間がわかれば、観測対象までの距離がわかります。 つまり、散乱光強度の距離分布(本システムでは地上からの鉛直分布)が得られるということです。 このデータを解析することによって、観測対象物の空間分布を求めることができ、 衛星画像の大気補正やエアロゾル特性の研究に用いられます。
 左図は、本ライダーシステムによって取得したエアロゾル鉛直分布の時間変化を示しています。 エアロゾルの分布構造が時間とともに複雑に変化している様子がわかります。
 
 多波長ライダーのスペック
 光源部 発振波長 1064nm (Nd:YAG 基本波)
756nm (Ti:Al2O3
532nm (Nd:YAG 2倍高調波)
355nm (Nd:YAG 3倍高調波)
パルスエネルギー 500mJ (1064nm)
120mJ (756nm)
300mJ (532nm)
150mJ (355nm)
発振周波数 10Hz
 
 受光部 望遠鏡形式 ニュートン型望遠鏡
主鏡直径 800mm
焦点距離 2000mm
FOV 0.5〜10mrad

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